コマンドラインインターフェース
公式エクスポートスクリプトを使えば自動的にたくさんのプロジェクトを一括でエクスポートすることができます。
Spineのコマンドラインインターフェース(CLI)では、コマンドラインからSpineを実行して、テクスチャアトラスのエクスポート、インポート、パックなどを行うことができます。これは、ソフトウェアのビルドプロセスの一環として、すべてのプロジェクトのエクスポートとテクスチャアトラスのパックを自動化するために最もよく使われます。
この方法で実行すると、まずSpineが起動し、1つまたは複数のエクスポートやテクスチャパックを行った後、終了します。
ほとんどのCLIパラメーターはヘッドレスで使用できます。つまり、ユーザーインターフェースを表示するように設定されていないコンピュータ上でも使用できます。ただし、画像やビデオをエクスポートするには、OSのウィンドウシステムとOpenGLが必要です。
使用方法
各CLIパラメーターの説明は、Spineを --help
パラメーターで実行すると表示できます。Spineを --advanced
パラメーターで実行すると、さらに高度なパラメーターを表示できます。
エディター
-h, --help 基本的なCLIヘルプを表示して終了します。
--advanced 高度なCLIヘルプを表示して終了します。
-v, --version バージョン情報を表示して終了します。
-l, --logout ログアウト、アクティベーションコードの削除を行います。
-u, --update ロードするSpineアップデートのバージョン番号を指定します。
-f, --force Spineアップデートを強制的にダウンロードします。
-x, --proxy アップデートの確認やダウンロードの際に使用するプロキシサーバーを指定します。
-t, --notimeout アップデートの確認およびダウンロード時のタイムアウトを無効にします。
project.spine 開きたいSpineプロジェクトファイルのパスを指定します。
最新のパッチバージョンを実行するには、-u
または--update
で使用されるバージョン番号のパッチ部分をxx
で指定します。例えば、最新の4.0バージョンを実行したい場合は、次のようにします:
最新の安定版を実行するには、latest
、lateststable
、stable
のいずれかをバージョン番号に指定します。最新のベータ版を実行するには、latestbeta
またはbeta
を指定します。
エクスポート
Spine [-i <path>] [-m] [-o <path>] -e json[+pack]|binary[+pack]
JSON、バイナリ、イメージ、ビデオのエクスポート:
-i, --input フォルダ、プロジェクト、またはデータファイルへのパス。エクスポート設定JSONを上書きします。
-m, --clean エクスポートの前にアニメーションのクリーンアップを行います。
-o, --output エクスポートファイルの出力先パス。エクスポート設定JSONを上書きします。
-e, --export エクスポート設定JSONファイルへのパスを指定します。
エクスポート設定JSONファイルはSpineの Export(エクスポート)
ダイアログの下部にある Save(保存)
ボタンをクリックして作成できます。
エクスポートを行うほとんどのビルドスクリプトでは、--update
を使ってSpineエディターのバージョンを指定することになります。
CLIで指定される入力および出力パスはオプションです。指定された場合は、エクスポート設定JSONファイルで指定された入力パスまたは出力パスが上書きされます。
inputパスに入るのは、プロジェクト、JSON、またはバイナリファイルへのパスです。outputパスに入るのは、エクスポート設定に応じて、ファイルまたはフォルダのどちらかになります。
--clean-all
を使用すればパラメーターはすべてのエクスポートでクリーンを実行するので、--clean
をそれぞれのエクスポートに指定する必要はなくなります。
--clean
パラメーターを指定すると、エクスポート前にアニメーションのクリーンアップが行われます。これはプロジェクトファイル自体には影響しません。
エクスポート設定JSONファイルへのパスの代わりにjson
またはbinary
が指定された場合は、デフォルトの設定でJSONまたはバイナリのエクスポートが実行されます。json+pack
またはbinary+pack
が指定された場合は、デフォルトの設定でテクスチャパッキングも実行されます。
インポート
JSON、バイナリ、プロジェクトのスケルトンを別のプロジェクトにインポートします:
-i, --input インポートするフォルダ、プロジェクト、データファイルへのパスを指定します。
-o, --output インポート先のプロジェクトファイルへのパスを指定します。存在しない場合は作成されます。
-s, --scale インポートされるプロジェクトのスケールを設定します。
-r, --import スケルトンのインポートを行います。スケルトン名は省略可能です。
inputパスに入るのは、プロジェクト、JSON、またはバイナリファイルです。または、.spine
、.json
、.skel
ファイルを含むフォルダでも指定できます。
outputパスに入るのはプロジェクトファイルです。
--scale
が指定されている場合、そのプロジェクトのスケルトンはインポートされる前にスケールが調整されます。
あるプロジェクトが別のプロジェクトにインポートされた場合、すべてのスケルトンがインポートされます。--import
を使用してスケルトン名が指定され、1 つのスケルトンだけがインポートされた場合は、スケルトンの名前が変更されます。複数のスケルトンがインポートされた場合、スケルトン名は無視され、スケルトンは既存の名前のままとなります。
JSON ファイルまたはバイナリ ファイルがプロジェクトにインポートされ、--import
を使用してスケルトン名が指定された場合、スケルトンの名前が変更されます。スケルトン名が指定されていない場合、スケルトンはJSONまたはバイナリファイル名から拡張子を除いたものを使用して命名されます。
クリーンアップ
アニメーションのクリーンアップ:
-i, --input プロジェクトファイルまたはフォルダへのパスを指定します。
-m, --clean アニメーションのクリーンアップが行われ、プロジェクトが保存されます。
アニメーションのクリーンアップは、プロジェクト内のすべてのアニメーションに対して行われ、プロジェクトファイルは変更された状態で保存されます。
inputパスに入るのは、プロジェクトファイルまたは.spine
ファイルを含むフォルダです。
パック
Spine -i <path> [-j <path>]... -o <path> [-n <name>] -p <path>
テクスチャアトラスのパッキング:
-i, --input パックされる画像のフォルダへのパスを指定します。
-o, --output テクスチャアトラスとPNGファイルの書き込み先へのパスを指定します。
-j, --project メッシュで使用される画像を決定するプロジェクトへのパスを指定します。
-n, --name テクスチャアトラス名を指定します。これはアトラスとPNGファイルの接頭辞になります。
-p, --pack テクスチャアトラス名、またはパック設定JSONファイルへのパスを指定します。
inputおよびoutputのパスは、フォルダへのパスです。
--pack
または -p
パラメーターには、以下のどちらかが入ります:
- 出力ファイルを書き込む際に使用するテクスチャアトラス名。アトラス名を指定した場合、デフォルトのテクスチャパック設定が使用されますが、入力フォルダ内にpack.jsonファイルを置くことでカスタマイズすることができます。
- パック設定JSONファイルへのパス。このファイルは、Spineの
テクスチャ・パッカー設定
ダイアログの下部にあるSave(保存)
ボタンをクリックして作成できます。 名前が指定されていない場合は、パック設定JSONファイルの名前からファイル拡張子を除いたものがテクスチャアトラス名として使用されます。
--project
には、1つまたは複数のプロジェクトファイルを指定できます。空白削除を有効にしている場合、テクスチャ・パッカーはこれらのプロジェクトを元に各画像ファイルを検索します。その画像ファイルを使用しているメッシュがすべて考慮されるので、空白削除によってメッシュ内のイメージの一部が削除されることはありません。 --project
または -j
が指定された場合、テクスチャ・パッカーの currentProject(現在のプロジェクト)
設定は無視され、それが true
に設定されていると見なします。
アンパック
テクスチャアトラスのアンパッキング:
-i, --input アトラス画像のフォルダへのパスを指定します。
-o, --output アンパックされた画像ファイルの書き込み先へのパスを指定します。
-c, --unpack テクスチャアトラスファイルへのパスを指定します。
情報
プロジェクト情報:
-i, --input フォルダ、プロジェクト、またはデータファイルへのパスを指定します。
各プロジェクトファイルの情報が出力されます。これは、「プロジェクトがどのバージョンのSpineで保存されたか」や、「プロジェクトに含まれるアニメーションの数」などの情報を得るのに役立ちます。
inputパスに入るのは.spine
ファイルを含むフォルダ、プロジェクトファイル、またはJSONやバイナリデータファイルです。
高度な設定
--trace 追加のログおよび診断チェックを有効にします。
--auto-start 自動的に起動します。
--no-auto-start 自動的に起動させなくします。
--ping 各サーバーへのレイテンシーをテストします(それ以外は4日ごとに実施)。
--server x pingに関係なく、優先するサーバーを設定します(例:jp/us/eu)。
--disable-audio すべてのオーディオサポートを無効にします。
--pretty-settings 設定ファイルをより綺麗に整形します。
--keys ホットキーのポップアップをデフォルトで有効にします。
--hide-license ランチャーで名前やメールアドレスを非表示にします(ストリーミング用など)。
--ui-scale x インターフェースのスケールを設定します(例:200)。
--icc-profile x カラーマネジメント用のICCプロファイルファイルのパスを設定します。
--intro Esoteric Softwareのロゴのイントロを表示します。
--clean-all すべてのエクスポートのためのアニメーションのクリーンアップを行います。
--mesh-debug メッシュの上にデバッグ情報を表示します。
--export-selection エディター選択が画像やビデオのエクスポートで表示されます。
--ignore-unknown CLIのパラメーターが認識されない場合にエラーにならないようにします。
例
Spine --export "/path/with spaces/to/export.json"
Spine --input /path/to/project.spine --output /path/to/output/
--export /path/to/export.json
Spine -i /path/to/project.spine -o /path/to/output/ -e /path/to/export.json
Spine -i /path/to/project.spine -o /path/to/output/ -e binary+pack
Spine -e /path/to/export1.json -e /path/to/export2.json
Spine -i /path/to/images/ -o /path/to/output/ --pack /path/to/pack.json
Spine -i /path/to/images/ -o /path/to/output/ -n name -p /path/to/pack.json
Spine -i /path/to/project1.spine -o /path/to/output/ -e /path/to/export1.json
-i /path/to/project2.spine -e /path/to/export2.json -i /path/to/images/
-o /path/to/output/ -p /path/to/pack.json
Spine -i /path/to/skeleton.json -o /path/to/project.spine -r skeletonName
上記のいくつかの例に見られるように、1回のSpine呼び出しで複数のコマンドを指定することができます。
outputパス用のフォルダが存在しない場合は作成されます。
コマンドが失敗した場合、Spineは0以外のエラーコードを返します。
Spineのすべてのサンプルプロジェクトをエクスポートするために使用されているこちらのエクスポートスクリプトは、SpineのCLI使用の実例として参考にできます。Windowsユーザーは、Cygwinを使用してbashで同様のスクリプトを書くことができます。
不明なパラメーター
Spineランチャーは、指定されたパラメーターが許可されているかどうかをチェックしてからSpineエディターに渡します。いくつかのCLIパラメーターがacceptedでない(受け入れられていない)場合、それらのパラメーターは「Spineランチャーがインストールされたときには利用できなかったが、新しいバージョンのSpineエディターでは理解できる」という可能性が考えられます。
その場合、Spineランチャーをダウンロードして再インストールするか、--ignore-unknown
パラメーターを使用して、Spineランチャーが認識できないパラメーターを許可するようにできます。認識できないパラメーターには警告が表示されますが、Spineエディターにはそのパラメーターが渡されます。Spineエディターがパラメーターを認識できない場合は、無視されます。
CLIパラメーターによるSpineの実行
Windows
Spine for Windowsには、Spine.exe
とSpine.com
の2つの実行ファイルが付属しています。EXEファイルはGUIアプリケーションで、コンソールウィンドウを表示せずにSpineを起動し、Spineの終了を待ちません。COMファイルはコマンドラインアプリケーションで、Spineの出力をコンソールウィンドウに送り、Spineが終了するのを待ちます。
コマンドラインインターフェースではどちらの実行ファイルも使用できますが、一般的にはCOMファイルを使用することをお勧めします。Spineのインストールフォルダがシステムパス上にあるか、現在の作業ディレクトリにある場合、Spine
を拡張子なしで指定すると、常にSpine.com
が実行されます。例えば、以下のようになります:
Mac
Spine for Macを使用する際のコマンドラインエクスポートは、Spine.app
を開くのではなく、Spineの実行ファイルを直接起動して行います。実行ファイルはSpine.app
内のSpine.app/Contents/MacOS/Spine
にあります。例えば、以下のようになります:
Linux
Spine for Linuxを使用する際のコマンドラインエクスポートは、Spine.sh
スクリプトを実行することで行います。例えば、以下のようになります: