アニメーション制作
アニメーション制作は反復的なプロセスです。グラフとドープシートはキーを視覚化し、そのタイミングと値を調整するために、アニメーション制作の際に頻繁に使用されます。以下のテクニックを適用する前に、グラフとドープシートの使用方法について学ぶことをお勧めします。
優れたアニメーターになるためには複雑な課題があり、ここで簡単には語り尽くせません。私たちは、Spineを使ったアニメーションという継続的なビデオシリーズを提供していますが、特にリチャード・ウィリアムズ著のアニメーターズ・サバイバルキットを読まれることをお勧めしています。概要については、Wikipediaの「アニメーションの12の基本原則」や、 こちらのビデオシリーズをご覧ください。
ワークフロー
Spineでアニメーションをデザインするには、様々なワークフローが考えられます。以下に、最も一般的なアプローチをいくつか紹介します。どの手法を組み合わせるのが最適かは、個々のアニメーターの判断に委ねられます。
ストレート・アヘッド
このアプローチでは、アニメーションの最初から最後にかけて、1フレームずつ順番にポーズを決めていきます。これはわかりやすいので、初心者の方が直感的にアニメーションを作るときによく使う方法です。
ストレート・アヘッドは、フレーム間のポーズが似ているため、アクションが自然に流れるように作れるというメリットがあります。難点は、アニメーションを特定の時間内に収めるなどの目的を見失いやすいことです。また、他の手法に比べて完成までに時間がかかってしまうこともあります。
ストレートアヘッドのワークフローは非常にクリエイティブです。具体的なポーズの間ではなく、何かが軌道に沿って動いているときに使用するのが最も効果的です。
こちらの12の基本原則のビデオの最後の方で、ストレート・アヘッドの理解に最適なエクササイズをご紹介しています:
ポーズ・トゥ・ポーズ
ポーズ・トゥ・ポーズは、「ブロッキング」とも呼ばれ、昔から新しいアニメーションを作り始める際に最も支持されている方法です。この方法では、まず最初にそのアニメーションで最も重要なメインポーズを、タイミングをあまり気にせずに決めます。そしてメインポーズが決まった後、そのタイミングを調整し、ポーズ間の動きを埋めていきます。
このアプローチでは、まずアニメーションの最も重要な部分に焦点を当てます。メインポーズによって、最小限の労力で動き全体を捉えることができ、この時点でのアニメーションの変更も容易に出来ます。しかし、時にこのような論理的なアプローチは、アニメーションの流れを妨げたり、途切れさせたり、不自然に見せてしまう原因になってしまうことがあります。
ポーズ・トゥ・ポーズの手法を用いる場合、 再生ビュー でStepped(ステップ)
を有効にすることができます。これにより、すべてのキー間のトゥイーン(補間)が無効になり、キーを記録したポーズのみを表示することができます。
レイヤード・アプローチ
レイヤード・アプローチとは、一度にいくつかの特定のパーツだけを作業し、残りのパーツを一旦隠すことを意味します。すべてのパーツのアニメーションが完了するまで、何度もその過程を繰り返します。
例えば、最初の作業では、スケルトンのほとんどのアタッチメントを非表示にして、体と手足だけに集中することが有効です。アニメーションによっては、スケルトンの腕と脚を隠して腰と胴体だけをアニメーション化し、その後、脚をアニメーションさせるためにもう一度アニメーションを見直し、腕をアニメーションさせるためにもう一度アニメーションを見直すなどの方法が有効です。
レイヤード・アプローチでは、邪魔な情報を取り除くことでアニメーターがスケルトンの最も重要な部分に集中することを可能にし、それが残りのパーツの動きを決定します。欠点としては、人体の仕組みを深く理解する必要があること、アニメーションの初期段階で変更を加えるためのポーズ間の柔軟性がないこと、別々にアニメーションされたパーツ間の動きがバラバラになってしまうことなどが挙げられます。
レイヤード・アプローチは、動きの大部分がスケルトンの一部のパーツで定義されるアニメーションに適しています。
組み合わせ
しばしば、これらの手法を組み合わせることも有効です。 例えば、まずアニメーションに絶対必要な動きだけのメインポーズを作り(ポーズ・トゥ・ポーズ)、次にアニメーションを最初から最後まで何度も見直して(ストレート・アヘッド)、その都度、一部のパーツだけをアニメーションする(レイヤード・アプローチ)などです。このように組み合わせれば、論理的な計画と創造性のバランスをとることができます。
カーブ
カーブは、アニメーターがキー間のトランジションのスピードを調整するために使用されます。スケルトンのすべてのパーツが一定の速度で動いていると、ロボットのような生気のない動きになってしまいます。詳しくはグラフビュー をご覧ください。